人気ブログランキング | 話題のタグを見る

全国からの報告「政権交代から1年」(水源連)

報告:遠藤保男(水源連共同代表)

2010年の水源連第17回総会のメインテーマは政権交代でダム事業の進捗にブレーキがかけられたのか、「コンクリートから人へ」、「ダム依存からダムに依存しない河川行政へ」の方向転換の実態を把握し、その状況を踏まえて今後の方針を見出すことにありました。事務局は総会資料作成にあたり全国の皆さんにご協力をお願いして、政権交代当時の状況、現時点の状況、一年間の運動の経過について報告をいただきました。

寄せられた全国からの報告は24事業に達しました。全国からの報告はこちらです。

どこもが政権交代直後の「コンクリートから人へ」、「ダム依存からダムに依存しない河川行政へ」の明るいときめきがもはや消えうせ、むしろ新政権の方が旧政権よりもダム事業の推進役を果たしていることが報告されています。

何故このような事態に陥ったのかを探ってみます。

昨年度中に本体着工にかかった事業、既存ダムの能力増加等改良事業は検証対象からはずされたこと、検証対象事業は新たな段階の入るまでの事業を推進とされたことなどが「新政権の方が旧政権よりもダム事業の推進役を果たしている」原因といえます。

もう一つの原因は補助ダムに対して国土交通省が「地方自治体が事業であるから見直しの要請をする」として、国交省自身が見直すことを放棄したことにあります。補助ダムは国から、補助金と起債返還元利合計額への交付税が地方自治体に支払われます。その合計額は建設事業費の約73%になります。地方自治体の事業といってもその実は国の事業です。国交省が見直しを地方自治体に任せて自らは行わない、ということは、責任放棄にほかなりません。

そしてもう一つはこれまでの事業計画に固執する地方自治体が多いことです。これまでは国が「ダム推進」の旗頭でした。新政権になってからはその国からの重石が取れたことになっています。私たちはこれまで以上に自分の足元である地方自治体を交渉相手にしなければならなくなっています。

地方自治体と国、両方を相手にした運動が必要になっていることを今回の全国からの報告から見て取ることができます。

水源連資料「全国からの報告 政権交代から1年」

◇寄せられた報告の一覧
 ・サンルダム
 ・当別ダム
 ・平取ダム
 ・成瀬ダム
 ・最上小国川ダム
 ・渡良瀬遊水池第2
 ・八ッ場ダム
 ・浅川ダム
 ・大田川ダム
 ・設楽ダム
 ・木曽川水系連絡導水路
 ・川上ダム
 ・天瀬ダム再開発
 ・大戸川ダム
 ・槙尾川ダム
 ・安威川ダム
 ・第十堰
 ・内海ダム再開発
 ・鹿野川ダム再開発
 ・山鳥坂ダム
 ・平瀬ダム
 ・石木ダム
 ・川辺川ダム
 ・路木ダム
by suigenren | 2010-11-28 00:00 | 調査・報告


国土交通省が進める「ダム見直し」について、市民が監視するためのサイトです。水源開発問題全国連絡会(水源連)が運営しています。


by suigenren

検索

カテゴリ

本サイトについて
インフォメーション
水源連について
提言・要望
調査・報告
国土交通省資料
報道記事
八ッ場ダム
新内海ダム
最上小国川ダム
石木ダム
路木ダム
成瀬ダム
南摩ダム
太田川ダム
辰巳ダム
木曽三川のダム
北海道のダム
関西のダム
吉野川可動堰
川辺川ダム
山鳥坂ダム
設楽ダム
浅川ダム
砂防ダム
その他のダム
リンク

以前の記事

2011年 05月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 01月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧