カテゴリ:調査・報告( 16 )

国交省有識者会議は継続報告のダムをどうするか(水源連)

国土交通省有識者会議について、継続報告のなされた2ダム(福岡県の五ケ山、伊良原ダム)に対して、国が補助金削減などの強硬手段を取るかがまさしく焦点です。

当日の議論のポイントは、ジャーナリストのまさのあつこさんがブログで報告していますので、ご覧ください。

また、当日の配布資料はこちらです。

このうち、「資料2 伊良原ダム事業検証に関する検討報告書(資料4-87~巻末)」を見ると、関係住民の意見については、「関係住民の意見聴取結果について(5-18~)」「頂いたご意見の概要」「頂いたご意見に対する考え方」で、表に整理してあるだけです。これでは意見を出しても意味がありません。

具体的なデータに基づく住民の意見そのものを検討報告書に添付させることを検証検討主体に約束させることが必要です。国交省有識者会議にも、良識を持つ委員がいるようですので、住民の意見を有識者会議に届けるように取り組んでいくことが是非と必要だと思います。

以下、報道記事を一部引用します。全文は新聞社のホームページでご覧ください。

・・・・・・・・・・・・引用開始

七滝、大和沢の2ダム中止に

毎日新聞 2011年3月2日

ダムに頼らない治水への国の方針転換を受け全国83事業(84施設)で行われている再検証で、国土交通省は1日、このうち4事業について都道府県などの事業主体が行った検証結果を公表した。国直轄の七滝ダム(熊本県)と青森県が主体の大和沢ダムは中止、福岡県が主体の五ケ山、伊良原ダムは継続とされた。再検証結果が明らかになるのは初。

同省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」は「おおむね妥当」とした。最終的には国交相が事業の進め方を判断するが七滝、大和沢ダムは中止の可能性が高い。継続とされた2ダムは、国が補助金削減などの強硬手段を取るかが焦点となりそうだ。

・・・・・・・・・・・・引用終了
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by suigenren | 2011-03-02 00:00 | 調査・報告

第2回利根川基本高水検証分科会の傍聴報告(水源連)

報告:嶋津暉之(水源連共同代表)

日本学術会議の利根川基本高水検証分科会第2回を傍聴してきました。5月下旬に報告書案をまとめるということは、小池委員長としては八ッ場ダムの治水の検証に間に合わせたいという意向があるように思います。しかし、八ッ場ダム事業を検証する関東地方整備局は必ずしもそうではなく、予断を許しません。

会議の配布資料は、学術会議のホームページに掲載されます。

その資料の中で、「今後の進め方を書いた資料2」に書いてあるように、専門家ヒアリングが3月下旬ころに行われますが、専門家としてどのような人が招聘されるか、それが基本高水検証の重要なポイントだと思います。

以下、報道記事を一部引用します。全文は新聞社のホームページでご覧ください。

・・・・・・・・・・・・引用開始

基本高水検証 有識者会議 5月下旬 報告書案

東京新聞群馬版 2011年2月19日

八ッ場(やんば)ダム建設の根拠となっている利根川の最大流量(基本高水)を検証する有識者会議の二回目の会合が十八日、東京都内で開かれた。国土交通省が実施する基本高水の見直し作業の内容評価をまとめる時期について、当初目標の九月末を前倒しして、五月下旬をめどに報告書案を作成することを決めた。

今後は、現行の計算手法として採用されている「貯留関数法」の問題点を検証。国交省が「ゼロベースで構築する」としている新たな計算手法や再計算結果の評価などを四月下旬までに実施する。専門家からのヒアリングや、報告書案の内容を紹介する公開説明会も開催するとした。

会合では、一九四七年のカスリーン台風並みの雨が降った場合、利根川の治水基準点となっている伊勢崎市八斗(やった)島の最大流量が毎秒二万二千立方メートルに達するとした国交省の現在の基本高水の設定について、委員らが計算プロセスの詳細な説明を求めた。だが、同省は「数値を算定した根拠となる資料が、現段階では確認できていない」と回答を避けた。

有識者会議委員長の小池俊雄・東大教授は「十分な資料が残っていないことで、経緯を細かく理解できないのは残念なことだ」と国交省の対応を批判した。有識者会議の報告書案について、小池氏は「学術的な発展につながるよう、(現行の算定方法を)新たに変えていくための提案が盛り込まれる可能性が高い」と強調した。

・・・・・・・・・・・・引用終了
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by suigenren | 2011-02-19 00:00 | 調査・報告

平成20年度末の全国のダムの堆砂データ(水源連)

水源連では、情報公開請求で国土交通省から平成20年度末の全国のダムの堆砂データを入手しましたので、公開いたします。

国土交通省資料「平成20年度全国堆砂データ」
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by suigenren | 2011-02-10 00:00 | 調査・報告

基本高水検証評価を行う日本学術会議に要望書を提出(水源連)

報告:嶋津暉之(水源連共同代表)

さる11日に八ッ場あしたの会等が国交大臣に対して、(利根川の)基本高水検証会議にダム見直しを主張する有識者を参加させることを求める要請書を提出しました。しかし、国交省は日本学術会議にこの検証作業に丸投げし、学術会議に設置された委員会には、市民側がが推薦した有識者は一人も入りませんでした。

本日、その委員会(河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会)が開かれましたので、簡単に報告します。なお、本日の会議に対し、以下の要請書を提出しました。

この要請書は会議の終わりで委員会に配布され、要請事項について小池俊雄委員長(東大教授)が答えていました。それについて報告します。


要望事項1:国土交通省の説明を受けるだけではなく、利根川の基本高水流量の基本的な問題点を提起してきた私たちが推薦する専門家にも説明を求めてください。

委員長:外部の専門家の意見を聞く場は設けることは考えており、次回提案する。

要望事項2 別添の付属資料「カスリーン台風が再来しても、八斗島地点毎秒1万6750m3/秒だから、八ッ場ダムは要らない」で明らかにされていることを十分に踏まえて検証を行ってください。

委員長:よく読ませてもらう。

要望事項3:河川流出モデルの検証は机上の計算の良否だけで判断するのではなく、利根川上流部の堤防の現状を把握し、それを踏まえて行ってください。

委員長:答なし(内容が理解できなかったようである)

要望事項4;現在の基本高水流量毎秒22,000m3/秒について国土交通省は飽和雨量を48mmから125mmに上げても3%しか小さくならないという計算結果を示していますが、その計算に使用した流域分割図、流出モデル図は公表されておらず、この計算の真偽は定かではありません。この計算を私たちも検証できるように、国交省に対して流域分割図、流出モデル図の公開を求めてください。

委員長:国交省が答えたとおりである。

今回のような要請について:

委員長:ある段階で検討結果を説明する場を設け、ルールをきめてヒアリングを行うようにしたい。


今回は第1回で、大半の時間が国交省の説明で使われてしまいましたので、本格的な議論、作業はこれからになります。

この委員会の議論がどのように展開されていくのか、先行きは全く分かりません。

小池氏は、委員長就任のあいさつで次のような趣旨のことを述べていました。

1 学術的な観点で、50年の間に手法が進歩してきたので、それを凝縮したものにしたい。
2 利根川についてどのような答を出すか、社会的なインパクトが大きいので、そのことを踏まえたい。
3 アカデミーとして、社会に果たす責任を示したい。

もっともなあいさつだと思いましたが、実際に国交省の意向にそわずにどこまで学者としての良心を貫けるのでしょうか。期待半分、不安半分という印象でした。

私たちとしては、これからこの委員会に対して意見書、要請書をどんどん出していきたいと思います。

本日の配布資料は、日本学術会議のホームページに掲載されますので、それをご覧ください。


・・・・・・・・・・・・

2011年1月19日

日本学術会議 土木工学・建築学委員会 河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会
委員 各位

八ッ場ダム公金支出差止住民訴訟弁護団 弁護団長  高橋利明
                 
      
   利根川の基本高水設定手法の検証に関する要請書
       
今回、国土交通省河川局からの依頼により、日本学術会議に貴分科会が設置され、利根川の基本高水設定手法の検証に取り組まれることになりましたが、この検証に関して、次の4点を要請いたします。真摯に受け止められるよう、お願いいたします。

1 国土交通省の説明を受けるだけではなく、利根川の基本高水流量の基本的な問題点を提起してきた私たちが推薦する専門家にも説明を求めてください。

2 別添の付属資料「カスリーン台風が再来しても、八斗島地点毎秒1万6750㎥/秒だから、八ッ場ダムは要らない」で明らかにされていることを十分に踏まえて検証を行ってください

3 河川流出モデルの検証は机上の計算の良否だけで判断するのではなく、利根川上流部の堤防の現状を把握し、それを踏まえて行ってください。

4 現在の基本高水流量毎秒22,000㎥/秒について国土交通省は飽和雨量を48mmから125mmに上げても3%しか小さくならないという計算結果を示していますが、その計算に使用した流域分割図、流出モデル図は公表されておらず、この計算の真偽は定かではありません。この計算を私たちも検証できるように、国交省に対して流域分割図、流出モデル図の公開を求めてください。

以上
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by suigenren | 2011-01-20 00:00 | 調査・報告

水需要の過大予測を是正しないダム検証(水源連)

報告:嶋津暉之(水源連共同代表)

ダムの検証検討作業において憂慮されるのは治水もさることながら、利水において水需要の過大予測を認めたまま、代替案との比較評価が行われようとしていることです。

検証検討作業が始まったダムでは検討主体から利水参画者への照会が行われてきています。

この照会に対して、利水参画者は計画通りの参画水量が必要だと答えてくるにきまっています。

その参画水量について検討主体がどのようなチェックを行うかというと、形だけの確認作業を行うだけです。

八ッ場ダムについて関東地方整備局が示した参画水量の確認方法は別紙のとおりで、都県の長期計画、水道事業計画認可、第5次水資源開発基本計画といった上位計画などとの関係を確認するだけとなっています。これらの上位計画は各利水参画者の過大予測を前提としてつくられており、この確認作業で過大予測が是正される可能性はほとんどありません。

過大な水需要予測をあらためるだけで、ほとんどの利水予定者についてはダムへの参画が不要と判定できるにもかかわらず、その是正がされる可能性がほとんどないのです。

過大予測を是認したままではその大きな水量を確保する有効な代替案が今更あるはずがなく、結局はダム案が有利という結果になることは目に見えています。

何としても水需要の過大予測を是正する検証作業が行われるようにしていかなければなりません。
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by suigenren | 2011-01-01 00:00 | 調査・報告

国土交通省のダム予算の前年度比較(水源連)

報告:嶋津暉之(水源連共同代表)

国土交通省河川局に今年度と来年度のダム予算を確認しました。地方負担を含まない国費の数字です。 

ダム予算は含むものがあったりなかったりしてわかりづらいですのですが、以下の国費の数字を見ると、直轄・水機構ダム、補助ダムとも、来年度予算は今年度予算より少し減っただけで、大きな変化はありません。

【国費(業務取扱費を含まない)】

                 2010年度(今年度)  2011年度(来年度)

国土交通省直轄ダム    1,003億円        930億円

水資源機構ダム        153億円         109億円

補助ダム(都道府県営)    369億円         342億円

事業費合計          1,525億円       1,382億円
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by suigenren | 2010-12-27 00:00 | 調査・報告

ダム事業の費用対効果計算の問題点(会計検査院)

会計検査院がダム事業の費用対効果計算の問題点を指摘しました。

ダムの便益計算はインチキ計算そのもので、洪水の被害想定額を現実離れした非常に大きな値にしています。また、「流水の正常な機能の維持」の便益は身替り建設費が使われることが多いのですが、これは最初からB/Cが1を超えることが確実な計算手法です。

今回の指摘はまだ十分なものとはいえませんが、このようなインチキ計算にようやくメスが入りました。

会計検査院資料「ダム建設事業における費用対効果分析の算定方法を明確にするなどして、費用対効果分析が適切に実施されるよう意見を表示したもの」
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by suigenren | 2010-11-28 00:00 | 調査・報告

全国からの報告「政権交代から1年」(水源連)

報告:遠藤保男(水源連共同代表)

2010年の水源連第17回総会のメインテーマは政権交代でダム事業の進捗にブレーキがかけられたのか、「コンクリートから人へ」、「ダム依存からダムに依存しない河川行政へ」の方向転換の実態を把握し、その状況を踏まえて今後の方針を見出すことにありました。事務局は総会資料作成にあたり全国の皆さんにご協力をお願いして、政権交代当時の状況、現時点の状況、一年間の運動の経過について報告をいただきました。

寄せられた全国からの報告は24事業に達しました。全国からの報告はこちらです。

どこもが政権交代直後の「コンクリートから人へ」、「ダム依存からダムに依存しない河川行政へ」の明るいときめきがもはや消えうせ、むしろ新政権の方が旧政権よりもダム事業の推進役を果たしていることが報告されています。

何故このような事態に陥ったのかを探ってみます。

昨年度中に本体着工にかかった事業、既存ダムの能力増加等改良事業は検証対象からはずされたこと、検証対象事業は新たな段階の入るまでの事業を推進とされたことなどが「新政権の方が旧政権よりもダム事業の推進役を果たしている」原因といえます。

もう一つの原因は補助ダムに対して国土交通省が「地方自治体が事業であるから見直しの要請をする」として、国交省自身が見直すことを放棄したことにあります。補助ダムは国から、補助金と起債返還元利合計額への交付税が地方自治体に支払われます。その合計額は建設事業費の約73%になります。地方自治体の事業といってもその実は国の事業です。国交省が見直しを地方自治体に任せて自らは行わない、ということは、責任放棄にほかなりません。

そしてもう一つはこれまでの事業計画に固執する地方自治体が多いことです。これまでは国が「ダム推進」の旗頭でした。新政権になってからはその国からの重石が取れたことになっています。私たちはこれまで以上に自分の足元である地方自治体を交渉相手にしなければならなくなっています。

地方自治体と国、両方を相手にした運動が必要になっていることを今回の全国からの報告から見て取ることができます。

水源連資料「全国からの報告 政権交代から1年」

◇寄せられた報告の一覧
 ・サンルダム
 ・当別ダム
 ・平取ダム
 ・成瀬ダム
 ・最上小国川ダム
 ・渡良瀬遊水池第2
 ・八ッ場ダム
 ・浅川ダム
 ・大田川ダム
 ・設楽ダム
 ・木曽川水系連絡導水路
 ・川上ダム
 ・天瀬ダム再開発
 ・大戸川ダム
 ・槙尾川ダム
 ・安威川ダム
 ・第十堰
 ・内海ダム再開発
 ・鹿野川ダム再開発
 ・山鳥坂ダム
 ・平瀬ダム
 ・石木ダム
 ・川辺川ダム
 ・路木ダム
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by suigenren | 2010-11-28 00:00 | 調査・報告

利根川の基本高水:決めた委員の3分の1が官僚OB(水源連)

実態とまったく異なる「飽和雨量」で大問題となっている利根川の基本高水を決めた当時の
国土交通省 社会資本整備審議会 河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会

 委員長を含め28名の委員のうち、委員長を含む10名が官僚OBでした。


委員長
 近藤 徹  (財)水資源協会理事長
  ⇒ 元建設省技監、元同河川局長

委 員
 綾 日出教  (社)日本工業用水協会顧問

 池淵 周一  京都大学防災研究所教授

 伊藤 和明  防災情報機構会長

 今成 守雄  埼玉県羽生市長

 岡本 敬三  (財)林業土木コンサルタンツ顧問
  ⇒ 元林野庁北海道営林局長

 岸井 隆幸  日本大学理工学部教授
  ⇒ 元建設省職員

 楠田 哲也  九州大学大学院工学研究院教授

 黒澤 正敬  (社)地域資源循環技術センター理事長
  ⇒ 元農林水産省構造改善局次長

 小池 俊雄  東京大学大学院工学研究系社会基盤工学専攻教授

 越澤 明  北海道大学大学院工学研究科教授

 坂本 弘道  (社)日本水道工業団体連合会専務理事
  ⇒ 元厚生省水道環境部長

 谷田 一三  大阪府立大学大学院理学系研究科生物学専攻教授
 
 塚本 隆久  (財)国際緑化推進センタ-理事長
  ⇒ 元林野庁長官

 中川 一  京都大学防災研究所流域災害研究センター教授

 根本 崇  千葉県野田市長
  ⇒ 元建設省大臣官房政策企画官

 浜田 康敬  (財)産業廃棄物処理事業振興財団専務理事
  ⇒ 元厚生省水道環境部長

 福岡 捷二  中央大学研究開発機構教授
  ⇒ 元建設省土木研究所河川部河川研究室長

 宮村 忠  関東学院大学工学部土木工学科教授

 虫明 功臣  福島大学理工学群共生システム理工学類教授

 森田 昌史  (財)日本農業土木総合研究所理事長
  ⇒ 元農林水産省構造改善局次長

 山岸 哲  (財)山階鳥類研究所所長

 橋本 昌(代理)茨城県知事 木村秀雄(土木部技監)
  
 福田 富一(代理)栃木県知事 高瀬晴久(土木部河川課長)

 小寺 弘之(代理)群馬県知事 小林俊雄(県土整備局河川課長)

 上田 清司(代理)埼玉県知事 森田彰(県土整備部副部長)

 堂本 暁子 代理)千葉県知事 井上富雄(県土整備部河川計画課長)

 石原 慎太郎(代理)東京都知事 野村孝雄(建設局河川部長)
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by suigenren | 2010-11-17 00:00 | 調査・報告

今後の治水対策のあり方に関する有識者会議「中間とりまとめ(案)」とそれへの対応(水源連)

報告:遠藤保男(水源連共同代表)

 2009年に自公政権から民主党を中心にした政権へと政権交代を私たちは勝ち取りました。政権発足直後に川辺川ダムと八ッ場ダム計画の中止が宣言され、すべてのダム建設事業見直しが発表されました。

  「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるという考えに基づき、国土交通省は2009年12 月3 日に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を設置し、検討を進めてきました。

 しかし、この会議は国民の傍聴を許さないという前時代に逆戻りしたやり方で進行しました。全国からの度重なる公開要請を前原誠司国土交通大臣はことごとく拒否しました。

 前原大臣は「本体着工済みの事業」と「ダム機能改善事業」を見直し対象事業から除外しました。更に、補助ダムについては「事業者である道府県に見直しをお願いする」、としてこれまで問題だらけの事業を補助ダムとして採択してきた国土交通省の責任を回避しています。

 その結果、2009年度内に本体工事を駆け込み契約した路木ダム・内海ダム再開発・浅川ダム等5つの補助ダム事業には満額の補助金交付が決定されました。各県はこれらの事業を住民の反対を無視して進行しています。なかでも内海ダム再開発は土地収用法が適用されて、この11月22日を反対住民の土地や物件を明渡しする期日として香川県収用委員会が決定しました。現地の皆さんは断固として闘いぬくことを確認し、団結小屋を設置して強制収用・強制代執行に備えています。

 前原誠司氏が国土交通大臣に着任してからの政策決定が補助ダム事業を推進させている、と言っても過言ではありません。

 直轄事業においても然りです。中止になればまったく不要になる付け替え道路や転流工が着々と進行しています。生活再建事業についてもそのあり方を現地住民と話し合うシステム作りに国土交通省が着手できていないことから、生活再建案を策定の場すら設定することができず、八ッ場ダムに見られる地域再建に障害をきたす事業すら巨額をかけて推進されています。

 このような状況の中、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」は2010年7月13日に開催した第11回会議で「中間とりまとめ(案)」を作成、7月16日に「今後の治水対策のあり方について 中間とりまとめ(案)に関する意見募集について」を発表しました。

 「中間とりまとめ(案)」の骨子は、見直しの主体を国土交通省政務3役とするものの、その作業は直轄事業・水資源機構事業については地方整備局が、補助ダムについては道府県が行うとしています。
その進め方として、

(1)「関係地方公共団体からなる検討の場」を設置し、相互の立場を理解しつつ、検討内容の認識を深め検討を進める

(2)検討過程においては、「関係地方公共団体からなる検討の場」を公開するなど情報公開を行うとともに、主要な段階でパブリックコメントを行う

(3)学識経験を有する者、関係住民、関係地方公共団体の長、関係利水者の意見を聴くとしています。

 このようなシステムでは「何が何でもダム推進」の地方自治体の意向が最優先され、個々のダム等事業について私たち住民が提起している問題が真摯に調査・審議される可能性はほとんどありません。「見直したがやはりダムが最善」という結論になることは目に見えています。

 何とかこのような事態を克服しないと、ほとんどすべての事業が「推進」になってしまいます。

 そのような事態を食い止めるに、国土交通大臣と有識者会議に全国から再考を求めましょう。
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by suigenren | 2010-11-01 00:00 | 調査・報告


国土交通省が進める「ダム見直し」について、市民が監視するためのサイトです。水源開発問題全国連絡会(水源連)が運営しています。


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