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八ッ場ダム「検討の場」第5回幹事会

5月24日に行われた利水についての検証の中間報告ですが、その内容は危惧していた最悪のものでした。実績とかけ離れた利水予定者のひどく過大な水需要予測を何ら見直すことなく、そのまま容認し、八ッ場ダムの開発予定水量22㎥/秒を前提として、代替案を検討するというものでした。いまさら、22㎥/秒という大量の新規水源を得る現実的な対策などあるはずがありません。また、八ッ場ダムを推進する手段となっている暫定水利権を解消するための水利権許可制度の改善は一顧だにされていませんでした。

四つの代替案が一応示されましたが、基本的に実現性があるとは思われず、結局は八ッ場ダムが最有力の利水対策という結論が出ることが目に見えています。

このままでは、利水に関しては検証をやりましたという茶番の検証劇が演じられるだけです。何とかしなければなりません。

以下、検討の場第5回幹事会についての記事の一部を引用します。
全文はリンク先をご覧下さい。

八ツ場ダム再検証 4代替案 比較検討へ

東京新聞群馬版 2011年5月25日

八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の是非に関する再検証について、国とダム流域六都県が事務レベルで協議する「検討の場」の五回目の幹事会が二十四日、さいたま市内で開かれた。

国土交通省関東地方整備局は、利根川流域の治水とともに、ダム建設の主目的とされた利水(水道・工業用水の確保)について、「現行の法制度では、ダムを中止した場合に、ダム事業への参画を条件に流域都県に分配する水利権が失われる」と主張。既存ダムの改良による貯水量確保や、別の河川からの導水などを組み合わせた代替案を四パターンに絞り込んで、現在のダム計画と比較検討する方針を明らかにした。

代替案は、藤原ダムの掘削や富士川からの導水、群馬県渋川市周辺での地下水取水▽利根大堰(おおぜき)や下久保ダムの改良、発電・治水ダムからの水量確保など▽渡良瀬第二調節池への貯水、利根大堰の改良、発電・治水ダムからの水量確保など▽富士川からの導水、発電・治水ダムからの水量確保など。

(中略)

代替案について、流域都県は「荒唐無稽(むけい)だ」「実現性に乏しい」と一斉に批判。八ッ場ダム建設を前提とした再検証作業の早期終結を強く要望した。 (中根政人)
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by suigenren | 2011-05-25 00:00 | 八ッ場ダム

八ッ場ダムの検証について要望書を提出(八ッ場ダム市民連絡会)

八ッ場ダム関係の市民団体が連名で1月13日、関東地方整備局に対して、八ッ場ダムの検証に市民意見の反映を求める要請書を提出しました。

八ッ場ダムの検証には多くの問題がありますが、今回の要請では、流域住民の意見反映の問題のみに絞って意見を提出することとしました。

今後は八ッ場ダム検証の利水、治水の内容についても順次、第二弾、第三弾の要請書を提出して、改善を求めていく予定です。

今回の要請では1月24日までの回答を求めています。要請文はこちらをご覧ください。

以下、報道記事を一部引用します。全文は新聞社のホームページでご覧ください。

・・・・・・・・・・・・引用開始

八ッ場ダム 住民の意見反映を 市民団体 関東地方整備局に要請

東京新聞群馬版 2011年1月14日

八ッ場(やんば)ダム事業の見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」などは十三日、国土交通省関東地方整備局が現在進めている同ダムの再検証作業について、ダム下流域の住民の意見を反映させることなどを求める要請書を同整備局に提出した。

同会などは、関東地方整備局が「検証検討主体」となっている現状の再検証の枠組みについて「作業の客観性に大きな疑問がある」と強く指摘。学識経験者や関係住民で構成する「検証委員会」を設置し、公開の場で審議を行うよう求めた。

さらに、関係住民の意見を聴く場合は、関東地方整備局との意見交換が可能な枠組みで行うよう要望した。

同会の渡辺洋子事務局長は「現状の再検証作業は、ダム推進派と反対派の“論争”を認めない仕組みになってしまっている。ダムの是非について、下流都県の市民も含めて幅広く議論できる体制が必要」としている。

・・・・・・・・・・・・引用終了
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by suigenren | 2011-01-14 00:00 | 八ッ場ダム

八ッ場ダム等の中止と生活再建実施を求める署名と要請書の提出(八ッ場あしたの会)

八ッ場あしたの会では、2009年12月より他の市民団体と共に、「八ッ場ダム事業などの中止」と「現地住民の生活再建の早期実施」を求め、総理大臣、国土交通大臣へ提出する署名集めを行ってきました。

12月10日、津川国土交通政務官に面談し、これまでに集まった署名1万5,234筆を手渡しました。

署名提出に際しては、八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟会長の川内博史衆議院議員、事務局長の初鹿明博衆議院議員が同行しました。

当日、事務局に届いた署名が更に337筆あり、追加提出することとなりましたので、署名総数は1万5,5711筆となります。

署名活動にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

署名提出については、群馬版各紙が報じています。

また、署名提出の際、要請書を提出しました。

なお、あしたの会では、本年11月21日のシンポジウムを機に、新たに国会請願の署名活動を開始しました。この請願の趣旨は、以下の2点です。

1.八ッ場ダム事業について客観的・科学的で公正な検証を求めます。
2.ダム予定地再生のための法整備を求めます。

国会請願の趣旨にご賛同下さる方は、請願署名活動へのご協力をお願いします。国会請願についての詳しい説明及び署名用紙は、こちらです。
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by suigenren | 2010-12-11 00:00 | 八ッ場ダム

利根川の基本高水を徹底検証せよ(水源連)

八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会が、12月4日に住民訴訟提訴6周年集会を開きました。そこで、利根川の最大流量が過大であることが報告されました。八ッ場ダムの検証では、基本高水を予断なく徹底検証し、見かけの残事業費論に惑わされずに、要不要を判断することが不可欠です。

以下、報道記事を一部引用します。全文は新聞社のホームページでご覧ください。

・・・・・・・・・・・・引用開始

朝日新聞群馬版 2010年12月06日

利根川の最大流量検証 ダム行政覆す可能性

八ツ場ダム(長野原町)の必要性の根拠となってきた利根川水系の「基本高水(き・ほん・たか・みず)」の検証が注目を集めている。大洪水が起きた時に想定される最大流量で、馬淵澄夫国土交通相が再計算を命じた。基本高水の数値が大きいほど洪水を抑える対策が求められるため、再計算の結果は、八ツ場ダム建設の是非にとどまらず、ダム行政を根本から覆す可能性がある。(菅野雄介、歌野清一郎)

「国交省が使っている現行の計算式では数字の操作とごまかしが入る」

東京・水道橋で4日、「あばかれた利根川洪水の神話」と題した集会があり、講演で拓殖大の関良基准教授(森林政策学)は、国交省が森林の保水機能を過小に評価する一方、降雨の流出量を過大に評価し、基本高水の数値が大きくなったと指摘。「過去の実績で最大の流量を基準に治水対策を行うのが最も合理的だ」と述べた。

集会は、八ツ場ダム建設反対の立場から、事業に加わる6都県に対し、建設負担金の支出差し止めを求める広域住民訴訟を起こした団体が主催した。今年7月までに一審判決が出た東京、前橋、水戸、千葉、さいたまの5地裁でいずれも敗れているが、集会の雰囲気は明るかった。住民訴訟で問題提起してきた基本高水の見直しに馬淵国交相が踏み込んだためだ。

利根川水系の基本高水は200年に1度の洪水を想定し、1947年のカスリーン台風をモデルとする。中流の伊勢崎市八斗島(やっ・た・じま)地点で毎秒2万2千トンが流れるとされる。

だが、カスリーン台風時の八斗島の流量の観測記録はない。今の基本高水は過去の雨量や支流から本流へ流れ込む水量などから推計した値で、台風を受けて49年に定めた際は1万7千トンだった。80年に旧建設省が「八斗島の上流の堤防整備が進んで下流に到達する水が増えた」として5千トンを上乗せした。

過去50年の実測値で八斗島の最大流量は、98年の台風10号の時の毎秒9222トン。2万2千トンの半分以下だ。

前原誠司・前国交相は「治水の哲学を変える」として基本高水をやり玉に挙げた。だが前原氏が設けた有識者会議は、検証の手順や基準づくりを優先し、基本高水の議論には踏み込まなかった。

後任の馬淵国交相は、利根川水系の河川整備基本方針を定めるため2005年度に策定された検討報告書の中で、基本高水を具体的に検討した経緯すら見当たらないと気づいた。副大臣の時から「何らかの糸口で見直せないか調べていた」という。

ダム建設を推し進めてきた国交省幹部の一人は言う。「基本高水は我々のアキレス腱(けん)。見直せばすべての川で仕事の見直しが必要になる。何とか有識者会議からも守りきったのに大臣にひっくり返されるとは……」

馬淵国交相は11月12日の衆院国土交通委員会で「建設を要望される方も、反対される方も、皆さん方に納得できる形で検証を進めるべきだと思っている。その意味で、基本高水の見直しというものは極めて重要だと思っている」と答弁した。

八ツ場ダムの建設の是非を考える検証で前提となるのは、200年に1度の洪水を想定した基本高水よりも流量が少ない50年に1度起きるレベルの洪水だ。

検証作業で国は、ダムに頼らない前提で治水対策の代案を練る。国の有識者会議が検討を促したダム以外の治水手法は25パターンあり、利根川に適した手法を組み合わせて複数の代案を用意する。

堤防のかさ上げや川底の掘削といった河川改修、既存ダムのかさ上げ、発電専用ダムの運用見直しなどがある。こうした代案に求められるレベルが、基本高水見直しで引き下げられる可能性がある。

その上で、ダムを造った場合とダム以外の治水案を、コストや実現性、環境への影響といった点から比較する。

(以下略)

・・・・・・・・・・・・引用終了
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by suigenren | 2010-12-06 00:00 | 八ッ場ダム

シンポ「八ッ場ダムはどうなるのか」報告(八ッ場ダム埼玉の会)

「八ッ場あしたの会」と「八ッ場ダムを考える一都五県議会議員の会」主催の「八ッ場ダムはどうなるのか」~明日のために必要なこと~と題されたシンポジウムが東大弥生講堂で開催されました。

一年前は政権交代でマニフェストに「八ッ場ダム中止」が掲げられ大臣が中止を明言し期待に胸膨らみましたが今、この流れを整理し把握し何をなすべきかというお話が聞けました。

続き(写真付)はこちら
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by suigenren | 2010-11-22 00:00 | 八ッ場ダム

東京新聞のしっかりとした社説(水源連)

東京新聞の11月9日付の社説は、しっかりした内容です。ただし、今回の国交大臣発言は中止撤回ではなく、中止方針の棚上げと理解すべきでしょう。

 以下、全文を引用させていただきます。

・・・・・・・・・・・・引用開始

東京新聞 社説 2010年11月9日

八ッ場中止撤回 “迷走”に終わらせるな

 馬淵澄夫国土交通相は、八ッ場(やんば)ダム(群馬県)につき建設中止の前提を事実上、撤回した。評価できる側面の一方、ダム事業の文字通り「予断なく再検証」の方針は貫くべきである。

 昨年、政権交代直後に前原誠司前国交相が建設中止を表明、馬淵現国交相も当初、「中止の方向」をいっていたことを思えば、また“迷走”といえなくもない。

 だが今回の発言は、有識者会議のとりまとめをへて、八ッ場を皮切りに九月から始まったダム事業再検証の趣旨を考えれば、当たり前でもある。

 ダムを含むもの、含まないものと複数の治水対策を作り、さまざまな評価軸で検証するからには、初めからダムありきでもダム中止でも、“予断”になる。八ッ場は国と関係六都県、九市区町がダム中止、推進で真っ向から対立、国が中止の方向に固執すれば、膠着(こうちゃく)状態が続く恐れもある。

 馬淵発言が冷静な話し合いの契機になれば、むしろ評価できる。また同相が、再検証終了の目標を来秋と初めて明言したのも、関係住民の不安を早く取り除くため、喜ばしい。

 一方、ダム中止の事実上撤回により、八ッ場はもとより全国のダム推進派が元気づけられることも考えられる。それによって、逆の予断で事業の再検証がおざなりになってはならない。

 すでに、八ッ場ダム建設の重要な根拠になった利根川の治水基準点・八斗島(やったじま)(群馬県伊勢崎市)における洪水時などの最大流量(基本高水)が、あやふやであることが明らかになっている。

 毎秒二万二千立方メートルとされた最大流量は、上流部の森林などの保水力を示す飽和雨量が高まり変化したのに、約三十年間検証されていない。馬淵国交相自身が先月、最大流量の算出方法を見直すよう国交省河川局に指示した。

 最終の評価がどうなるにせよ、これらの重要な基礎的データは、ダム事業再検証の場で明らかにした上で、議論を進めなくてはならない。
 同省河川局がつくった検証の実施要領では、関係自治体からなる検討の場が重視され、各地方整備局に設けられた事業評価監視委員会の意見を聴き、事業継続または中止の対応方針を決める。

 「予断なく再検証」するために国交相自身がこれらの場に、必要な情報の全面開示と、公正な議論の確保について、あらためて指示をすべきである。

・・・・・・・・・・・・引用終了
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by suigenren | 2010-11-09 00:00 | 八ッ場ダム

代替地の崩落危険性問題に関する要請書(八ッ場あしたの会)

2010年11月4日

国土交通大臣 馬淵 澄夫 様

 八ッ場あしたの会 (代表世話人 野田知佑ほか)
 八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会 (代表世話人 関口茂樹)

代替地の崩落危険性問題に関する要請書 ―計算ミスだけでなく、更なる問題があります!―

 11月2日、八ッ場ダム工事事務所は八ッ場ダム代替地の安全性の検証で計算ミスがあり、計算し直すと、代替地の一部は安全度を下回り、大地震時に崩壊の危険性があることを発表しました。川原湯の打越代替地第二期分譲地は、谷を埋めて造成した盛土部分の耐震性を計算した結果、大地震に耐える安全度の基準(宅地造成等規制法の基準)を下回ることを明らかにしました。今回の計算ミスは地盤の物性値に入力ミスがあったとのことで、これにより、第二期分譲地の安全度は、修正前は約1.1倍であったものが、1を下回ることになり、地盤補強の工事が行われることになりました。

 代替地の安定計算については、群馬県がダム湛水の場合での計算結果を求めているにも関わらず、国土交通省はダム湛水を想定しない現状についての計算結果のみを公表しているのですが、その現状においても大地震時での崩壊の危険性があることが判明しました。

 代替地は地元住民が補償金の大半を注ぎこんで、とわの住処を得るために購入しつつあるところです。その代替地の耐震性が安全度の基準、しかも、国交省所管の宅地造成等規制法の基準を下回り、大地震時に崩壊の危険性があるというのは許されないことです。八ッ場ダム工事事務所がダム事業を急ぐがあまり、代替地の安全性を二の次にしてきたことを物語っています。

 問題はそれだけではありません。第二期分譲地の修正前の安全度は約1.1倍になっていますが、その値そのものが恣意的に求められた疑いが濃厚なのです。

 以下、その疑問点について説明いたします。


疑問点1 「盛土内の地下水なし」とする不可解さ

 打越代替地の谷を埋めて造成する盛土部分は深さが30~40mに及ぶ超高盛土であって、民間の宅地造成では例をみないものです。盛土造成地が地すべりを起す可能性を調べるための計算(安定計算)で重要な要素は盛土内の地下水の存在です。地下水が存在して、その水位が高いほど、地盤が不安定になって地すべりを起こしやすくなるからです。

 ところが、第二期分譲地の安定計算では「地下水なし」という前提がおかれています(別紙1)。この前提は現実と違っています。第二期分譲地の一部は沢を埋め立てたところもありますから、山側から地下水が浸入してくることは当然予想されることです。また、降雨が続けば地表面から浸透した雨水が地下水になることもあります。「地下水なし」という前提そのものが現実と遊離していると考えられます。

 「地下水あり」という前提をおけば、修正前でも安全度の計算結果が1.1ではなく、1を下回り、修正後は1を大きく下回ることが予想されます。


疑問点2 雨が降らなかったあとの現地調査で「地下水の浸出なし」

 国交省がなぜ打越代替地第二期分譲地は「地下水なし」としたのか、宮崎岳志衆議院議員の質問に対して国交省から提出されたのが、別紙2です。7月7日と9月7日に国と群馬県が現地調査を行ったところ、代替地の法面の水抜き管から地下水の浸出がなかったというのが理由でした。

 しかし、7月7日と9月7日より前の日の降雨状況を調べてみると、別紙3(国交省の長野原雨量観測所)のとおり、その前は数日以上、雨らしい雨が降っていない状態ですから、地下水の浸出がなくても当然です。雨が降った直後であれば、地下水が浸出していたことが十分に予想されます。大地震は降雨の状態とは関係なく起きますから、安全側、すなわち「地下水あり」の状態を想定して安定計算を行わなければなりません。ところが、国交省は地下水が浸出しない可能性が高い日に現地調査を行って,「地下水なし」と判定しているのです。


疑問点3 「地下水なし」の前提は恣意的ではないか

 国が代替地の安全性の調査報告を県に提出したのは8月30日ですから、国と県が地下水の浸出状況を調査した上記2日のうち、7月7日は報告をまとめる最終段階であり、9月7日は報告が提出されてからのことになります。このことは、打越代替地第二期分譲地の安定計算は最初から「地下水なし」の前提がおかれていて、現地調査はその理由のあと付けのために行われたものであることを示唆しています。

 この経過を見ると,「地下水あり」で計算したところ、安全度を下回ったので,「地下水なし」にすることにしたのではないかという疑惑さえ生まれてきます。代替地の安定計算がもしこのように恣意的に行われたならば、許されることではありません。

 十二分な安全を確保しなければならないはずの代替地の安定計算は常識的には安全側を見込んで、「地下水あり」の前提をおくべきです。少なくとも豪雨直後に大地震が来ることもありえるのですから、「地下水なし」は安全という計算結果を引きだすための恣意的な前提であると考えざるを得ません。

 〔補〕打越代替地の設計を行った「川原湯(打越)地区代替地造成実施設計業務報告書」(平成15年3月 セントラルコンサルタント(株))を見ると、設計条件は湛水前の状態では地下水位を盛土高の0.5倍にすることになっており(24ページ)、地下水位の設定は国交省自身が当初の設計条件に入れておいたことです。ただし、この報告書の計算結果はそのことを考慮しないものになっています。


疑問点4 そのほかの疑問

 その他にもいくつかの疑問があります。

 安定計算は設定した調査測線にそって行われます。安定計算を行った調査測線の勾配は1:2.54となっています。代替地の法面は現在は暫定法面です。勾配は1:1.8で、小段(5mの高さに対して水平方向に1.5mの小段)の部分を入れて1:2.1ですから、調査測線の勾配1:2.54は現在の法面の勾配よりかなり緩くなっています。法面の勾配が緩いほど、安全度が高くなりますから、勾配が最も急になる調査測線を設定した安定計算も行うべきですが、行われていません。

 さらに、安定計算で設定した地盤の物性値が適切なのかという問題もあります。地盤の物性値が変われば、安定計算の結果も変わってきます。今回の安定計算で使用した物性値の設定根拠資料が示されていないため、物性値の妥当性についての疑問も残されています。


要請事項

以上の疑問点を踏まえ、下記のことを要請します。

○ 代替地の安全性の検証を一から実施しなおして、その結果を公表し、地元住民の方々が安心して暮せる方策を示すこと

 打越代替地について「地下水あり」の状態を設定するなど、代替地全体について安全側を十二分に考えた前提条件を設定した計算を実施しなおして、その結果を計算根拠データも含めて公表し、それに基づいて地元住民の方々がこれから水没予定地も含め現地で安心して暮らせる方策を示すことが必要です。

私たちの要請を真摯に受け止められるよう、お願いいたします。
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by suigenren | 2010-11-04 00:00 | 八ッ場ダム

八ッ場ダムの検証に係る検討について(国土交通省)

「八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」を設立

国土交通省 関東地方整備局  河川部

 八ッ場ダムについては、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるという考えに基づき全国の他のダムと同様、予断無く検証することとしています。

 また、検証は、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(以下、「有識者会議」という。)においてとりまとめられる「今後の治水のあり方について中間とりまとめ」(以下、「中間とりまとめ」という。)に沿って行うこととしております。

 これまでに、関東地方整備局では、「中間とりまとめ(案)」の内容に沿った形で暫定的に検証に係る検討の作業を進めるとともに、大臣の指示に基づき、八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討体制の早期立ち上げに向けて、7月にまとめられた「中間とりまとめ(案)」に示されている「関係地方公共団体からなる検討の場」が早期に設立できるよう、関係地方公共団体と調整を行ってきたところです。

 今般、関係地方公共団体との調整が整い、関東地方整備局として「八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」を設立することとなりましたのでお知らせします。(構成員等を定めた規約は、本文資料(PDF)の別添資料1のとおり)

 あわせて、「検討の場」の規約に定められた幹事会について、10月1日(金)に開催することとしましたので、開催・傍聴等に関する詳細(本文資料(PDF)別添資料2及び3)について、お知らせいたします。

国土交通省関東地方整備局資料 「八ッ場ダムの検証に係る検討について」
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by suigenren | 2010-09-27 00:00 | 八ッ場ダム

八ッ場ダム問題の早期解決を求める要請書(八ッ場あしたの会)

2010年9月24日

国土交通大臣 馬淵 澄夫 様

八ッ場あしたの会 代表世話人:野田知佑ほか

八ッ場ダム問題の早期解決を求める要請書

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 国土交通大臣ご就任にあたり、八ッ場ダム問題の早期解決を願い、要請書をお送りします。

 昨年の政権交代直後、前原誠司前大臣は八ッ場ダム中止を宣言され、その後、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の発足、ダム予定地住民との意見交換会などに取り組まれました。しかし、ダム予定地では生活再建の手立てが何ら講じられないため、地元住民は先行きが見えない不安な日々を送ることを余儀なくされています。

 この間、ダム予定地では、八ッ場ダムの関連事業である道路、橋脚、砂防ダムなどの工事が進捗する一方で、生活、自然の著しい破壊が進みました。民主党政権は「コンクリートから人へ」税金の使い道を変える大胆な改革に着手することを目標に掲げ、多くの国民がこれに期待しましたが、八ッ場ダム事業を見る限り、コンクリートの建造物は増えるものの、ダム予定地の人々の生活や流域住民の声は踏みにじられるばかりです。これでは自民党政権下と何も変わりません。

 半世紀以上続いてきた巨大ダム計画をめぐる政策の転換が容易でないことは理解できますが、これまでの手法を踏襲するだけでは事態の打開は期待できません。問題の先送りは、ダム予定地で生活している地元の人々に破綻したダム計画のツケを負わせるものです。

 新大臣主導の下、改めて以下の点について真摯な取り組みがなされ、地元の人々にとっても一般国民にとっても希望がもてる政治が行われることを希望してやみません。


1.ダム予定地の生活再建を図るための取組みに早急に着手してください。

 八ッ場ダム事業の検証が始まろうとしていますが、その検証作業がいつ終わるのか、見通しも明らかにされておらず、地元住民は先行きが不透明なままの、宙ぶらりんの状態に据え置かれようとしています。将来の生活設計を描くことができないまま住民を放置することは、人道上も問題です。

 昨年の前大臣の中止言明を受けて、ダム中止を前提に、水没予定地から移転をせずに現地での生活再建の道を探ろうとした住民も少なからずいましたが、そのような住民に対して何の手も差し伸べられないため、住民の方たちは無為な1年を過ごすことを余儀なくされました。

 中でも、地域の中核ともいえる川原湯温泉街は、ダム事業の行方が混沌とした状況の中、ダムの工事現場に取り囲まれ、老朽化した施設で営業を続けなければならず、そのダメージは計り知れないものがあります。また、農村地帯においても、地域の方向性が見えず、住民は不安と焦燥の中で生活を送っています。

 このような地元の人々の犠牲は、単にダム中止方針のためということではなく、ダム計画そのものに大きな無理があることによるものですが、民主党政権がなぜこうした事態を放置するのかと、多くの人々が疑問に思うのも無理はありません。

 地元住民の生活再建支援は待ったなしの状況です。
 これ以上、地元の人々に犠牲を強いることのないよう、政治判断によって以下の施策に取り組んでください。

(1) 八ッ場ダム予定地の人々の生活再建、地域振興を目的とした政策チームを設けること。

(2) 地元の住民個々人に対して、丁寧な聞き取り調査を行い、住民の要望と現状の把握をより正確に行うこと。

(3) (2)の調査に基づき、現況の中で国の責任において実施可能な生活再建支援措置を早急に実施すること。

(4) 生活再建関連事業という名の下に進められている様々な事業・工事の中身を精査し、生活再建に真に必要な事業を優先して進め、水没予定地の自然、景観を大きく損なう工事の見直しを行うこと、さらに、四車線で計画され、用地買収が進められてきた付替え国道の二車線化への見直しを早期に実施し、道路用地の利活用を図ること。

(5) ダム予定地住民の生活再建、地域の再生を支援するための法整備に早急に取り組むこと。


2.代替地の安全性確保のために入念な検討を担当部局に指示してください。

 八ッ場ダム事業では、地元住民がダム計画を受け入れる条件として、国が住民の「現地再建」を可能とする代替地をダム湖予定地周辺に造成する約束がなされており、代替地の造成が進められてきた経緯があります。

 川原湯地区の打越代替地は山の斜面を切り開き、谷を埋め立ててつくる人工造成地です。ここでは谷を埋め立てる盛土の高さが深いところでは30~40mにも及んでいます。このように超高盛り土の造成は民間の宅地造成では例がないものですから、その安全性について入念な検討がされなければなりません。

 ところが、国交省は川原湯地区の打越代替地等についてこれまで安全計算の根拠となる資料を公開してきませんでした。群馬県議会でそのことが問題になり、ようやく、さる8月末に資料が県に提出されました。しかし、その内容はひどく簡単な計算結果を示したもので、しかもダムに貯水しないケースの計算結果だけでした。貯水した場合の安全性は考えていないのでしょうか。貯水しないことを前提とした今回の計算も、安全という結果が出るような前提条件が最初からおかれていて、本当に安全であるのか、疑問が残るものでした。

 代替地の分譲価格は周辺の地価と比べて非常に高額です。移転住民が補償金の大半を注ぎこんで取得しつつある代替地が安全基準を満たさない欠陥商品であるというのはあってはならないことです。

 国交大臣として、代替地の安全性について入念な検討を担当部局に指示し、その結果をすべて公表して、問題がある場合は、その対策を明らかにしてください。


3.八ッ場ダムの治水・利水代替策を早急に策定するように担当部局に指示してください。

 10月1日に八ッ場ダム事業に関する「関係地方公共団体からなる検討の場」が設置され、検証作業が始められることになっています。八ッ場ダムの検証に当たっては、代替地の安全性を含め、これまで明らかにされてこなかった八ッ場ダム事業に関する情報公開を進め、民主的に検証作業が実施されることを多くの国民が望んでいます。

 この検証作業がいつまでかかるのか明らかにされていませんが、八ッ場ダム計画が多くの問題を抱え、ダム予定地住民に長年犠牲を強いてきたことを考えれば、これ以上問題を先送りにすることなく、すみやかに結論を出すべきです。

 八ッ場ダムの不要性はすでに明白なことで、長い期間をかけて改めて検証しなければならないことではありません。少なくとも、八ッ場ダムの構想が浮上してから、60年近くの歳月が流れましたが、その間、利水・治水の両面で八ッ場ダムがなくて支障をきたしことはなく、その事実が八ッ場ダムの不要性を明確に物語っています。八ッ場ダムなしで済む治水と利水の計画をつくらなければならないとしても、それはそれほど難しいことではありません。

(1) 八ッ場ダムなしの治水計画の策定
 治水については八ッ場ダムなしの利根川治水計画を策定する必要がありますが、すでに中止が事実上決まった川辺川ダムについては、国交省の手でダムなしの治水計画案がつくられつつあります。

 川辺川ダムは球磨川のこれまでの治水計画(工事実施基本計画)では、その洪水調節効果のウエイトが非常に高く、基本高水流量(人吉地点)7,000m3/秒のうち、約2,600m3/秒、すなわち、約37%をカットすることになっていました。それに対して、八ッ場ダムは利根川のこれまでの治水計画(工事実施基本計画)では基本高水流量22,000m3/秒のうち、600m3/秒、すなわち、3%をカットするだけです。川辺川ダムの治水代替策がつくられつつあるのに、川辺川ダムと比べると、これまでの治水計画上のウエイトが1/10程度しかない八ッ場ダムについて代替策がつくれないはずがありません。

 実際には、八ッ場ダムの小さな治水効果を代替できる、河床掘削などの河道整備の計画をつくればすむ話です。
 国交大臣として、八ッ場ダムの治水代替策を早急に策定するように、担当部局に指示してください。

(2) 水利権許可制度の改善
 利水については水道給水量が減少の一途を辿るようになっていますので、八ッ場ダムが必要だという論拠はその暫定水利権が埼玉県水道等に設定されていることくらいです。しかし、この暫定水利権は暫定とはいえ、実際には長年の取水実績があり、古いものは40年近くの取水実績があって取水に支障をきたしことがほとんどなく、実態としては安定水利権と何ら変わりません。

 暫定水利権は国交省の水利権許可制度に問題があります。ですから、八ッ場ダムの暫定水利権は国交省の水利権許可制度を改善すれば解消されることです。

 このことを踏まえ、国交大臣として、八ッ場ダムの暫定水利権を安定水利権に変えるためには現行の水利権許可制度をどのように改善すればよいのか、その方策を示すように担当部局に指示してください。

以上
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by suigenren | 2010-09-24 00:00 | 八ッ場ダム

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by suigenren | 2009-01-01 00:00 | 八ッ場ダム


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